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曲がれ!スプーン

【ストーリー】
クリスマス・イブ、とある喫茶店”カフェ・ド・念力”。そこでは、1年間に1度本物のエスパー達が集い、普段ひた隠しにしている自らの能力を思う存分披露し合うエスパーパーティーなるものが開かれていた。
一方、超常現象バラエティ番組「あすなろサイキック」のAD・桜井米(ヨネ)。
いまだに本気で超常現象を信じている米は、最近の番組の方向性に疑問を感じつつ、日々の業務に疲れつつも、自分の仕事に誇りを持って頑張っている。
そんな折、視聴者からの情報を頼りに超常現象やエスパーを探すという番組企画が持ち上がり、米はその担当に大抜擢される。意気揚々と日本全国をカメラ片手に旅して回るが、行けども行けどもインチキばかり。
しかも街はいつの間にやらクリスマスモード。楽しそうな人々を横目に、元気が取り柄の米もさすがに落ち込み気味。
そして、番組ディレクターからネタを取れない米に帰京命令が・・・。
(公式ホームページ:http://magare-spoon.com/top.htmlより)

【感想~長い……】
きっと舞台の方が面白いのだろうな、という感想を抱きながらの鑑賞となりました。
同時期に舞台もやっているんですよね……
さて、ストーリーは上にある通りなのですが、映画はテレビ局のシーンから色々な偽エスパーの取材をした後に、「カフェ・ド・念力」にたどり着きます(偶然ではなく、待ち合わせをしていた結果です)。
そして、ラストのシーンは、上空を見上げる色々な人たちのカットが入るのですが……長いです。尺を引きのばすために入れたシーンでしょ?と言いたくなるぐらい長かった。
そもそも、喫茶店のシーン以外は挿入した感がありありとしていてテンポを崩しているとしか思えません。
舞台の場合、多分喫茶店のシーンだけで進行するんだろうな、というのがよくわかります。
空間を固定するから面白い舞台、という利点をすべて放棄して、VFX等の特殊効果も見せようと言う、無駄な努力が垣間見えます。
喫茶店のシーンだけピックアップして見ると相当愉快な映画です。それ以外のシーンは、大人の事情により挿入されているものと思われるので……
メインの出演者のうち、女性は一人。米だけです。そのシーンを強引に増やそうとして失敗していますね。
面白いシーン(喫茶店のシーン)が始まるまでに気持ちがダレてしまい、喫茶店のシーンで面白いシーンがことごとく薄い笑いが起きていたのが印象的で象徴的でした。

【評点★☆☆☆☆・・・DVDでOK。しかも飛ばすシーンが多い】
話は面白いのですが、余計なシーンが多すぎて興ざめすること請け合いです。
DVDで出たら、編集して面白いシーンだけをピックアップした方がいいかも。
ちなみに、私が見た回、映画館の客は私を含め7名だけでした。同じ映画館で公開されているマイケルジャクソンのヤツなんて、売り切れ(2回あって2回とも)だったんですけどね……
こんなんだったら、12月10日からの紀伊国屋ホールでの芝居を見に行った方が良かったな……

文責:逢川

サマーウォーズ

【ストーリー】
高校2年の夏休み、天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内(じんのうち)家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だ。
栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。そこで健二は突然、夏希から「フィアンセのフリをして」と頼まれてしまうが・・・
(公式ホームページより引用:http://s-wars.jp/)

【感想等~面白い話なんですが・・・】
それほど長い映画ではないにもかかわらず(2時間弱)、長く感じてしまう映画でした。腕時計を何度か確認したので、長いな、と思ったのでしょう。
設定の割には、ストーリーが丁寧過ぎるのかもしれません。
前半の展開が長い(ゆっくり)なのです。その割には、必要な情報が提供され切れていない感想を持ちました。
例えば、憧れの夏希先輩にアルバイトをしないかと誘われる二人の男子学生ですが、なぜ、夏希はそこに募集をかけに行ったのかは描かれていない割には、フィアンセのフリをする、というバイトの内容は非常にインパクトが強いのです。
だからこそ目立つのですが、話の筋からすると、夏希は「自分があこがれの対象である」ことを少なからず認識している必要があるわけで、そう言う意味では、冒頭からの数シーンで夏希=小悪魔、という印象付けに失敗している感があります。爽やか系で描かれてしまっているので、いろんな意味で「?」という、キャラに合っていない言動が目立つところがあります。
一方、仮想現実空間の「OZ」で事が起きてからの展開から次第にスピードが増していきます、急加速、というわけではないのですが、少しずつ加速していくところが小気味のいいものです。
しかし、人物像がぶれすぎやしないか、というのも正直な感想です。ただ、人間ですから、首尾一貫して性格がぶれないわけもなく、そう言う観点からすると「人間」が描けているとは思います。
それはどこに現れているかというと、シーンごとにどっしりと構えている人物と、極端に動揺する人物が入れ替わるのです。
物語という点では、あれ?この人こんななの?という点が多すぎて、印象が少し薄いような気がします(効果的に使えていない、というところでしょうか)。

【ここからいい話】
一家の長、陣内栄(大ばあちゃん)は、素晴らしいです。多分、夏希の嘘(偽フィアンセ)のことも初めから見抜いていたのではないかと思えます(直接的な描写はありません)。
そして、彼女の姿に「できないではなく、できることが何かを考えることが肝心」ということを思い知らされるのです。これは、きっと見ればわかります。もちろん、直接彼女がそれを誰かに語ることはありません。でも、自分が何をすべきか、何ができるかを考え、そして即行動に移す・・・本当はそれが当たり前なのがいいのでしょうが、現実はマイナスに考えることの方が多いのではないでしょうか。
彼女は「OZ」の世界には現れません(利用はしています)。そこでの混乱が何かを知らないまま、それでも、何ができるかを考え、黒電話を引っ張り出すのです。
そう言う意味だと、登場人物の中の「侘介」とは対極の位置にいる人物なのでしょう。
侘介は「OZ」を非常によく知っていそうです。しかし、それを知ろうとしない人物です。そして、何もできないと決めつけてしまいそうな人物。
この話の中には、アナログとデジタル、というもう一つの対比があるように思えました。

多少ネタバレかもしれませんが・・・

全てを管制している「OZ」システムがおかしくなったのを見越したのか、栄は「黒電話」を利用します。デジタルとは全く対極の象徴と言えるかも知れません。
さらには、「手帳」に書かれた住所録や、届いた「手紙」を引っ張り出し、利用します。
そして、健二もことを起こす時には「紙に手書き」をします。
栄と健二は「花札」をします。
「黒電話」「手書き」、テーブルゲームの「花札」。
そして「暗算」に、最後は「人との絆」。
映画の冒頭に「コミュニケーション」について言及があります。
しかし、きっとこの映画では「絆」なのだと思います。
コミュニケーションなら、電話でもメールでも取ることができます。しかし、「絆」はどうでしょう。
いちばん身近な「絆」=「家族」「親戚」は、最後きっと味方になってくれる人達だと信じたい存在です。
世知辛い世の中で、その絆も怪しげになっていますが、それでも、家族や親せきっていいな、と思える映画でした。

【評点★★★☆☆・・・評価が分かれそうな映画】
個人的には好きな映画です。もう一度映画館で見る?と尋ねられれば、「はい」と即答できます。
しかし、感想にもあるように、前半の情報不足は否めないわけで、とっかかりで「ん?」と思われたら、ちょっと感想が変わってしまう映画です。
ぜひ、腰を据えて長い目で見て欲しい映画、ということでどうでしょう?

文責:逢川

エヴァンゲリオン新劇場版:破

私の個人ページ「OPT-R企画」にはアップしていたのですが、こちらには挙げていなかったので、この場で。

【ストーリー】
・・・あまり書きたくありません。感想にもあるように、今回の話は、テレビ版との比較をすることに意味がないからです。そして、なまじテレビ版が先行しているので、ネタばれが多く含まれていることもあって、今回は割愛します。

【感想】
さて、前作「序」は、エヴァンゲリオンの復習のような映画でした。前提となっている世界観をもう一度総ざらいした感じです。
(前作「エヴァンゲリオン新劇場版:序」の感想はこちら(http://www.adguil.com/brainsblog/archives/45.html)。

今回は違います。そもそも新キャラクターが登場したり、アスカの名前が「惣流」から「式波」に変更されていることから、変更があるのはある程度想定通りなのですが・・・結論から言うと、今までのエヴァンゲリオンンの予備知識をすべて捨てて見た方がいいでしょう。
話の大筋の流れは同じでも、土台が完全に変更されてしまっています。前回の感想の中では「使途の番号が繰り下がっている(変更されている)」件には触れましたが、その答えが今回提示されています(多分、そうだと思います)。
使途の形状も大幅に変更され、「あれ?あの使途は?」とか「こんなんだったっけ?」という疑問を差し挟んでいるうちに、話がどんどん展開してしまうので、本当に何も考えず(テレビ版との比較などせずに)、見た方がよろしいかと思います。
パンフレットを購入しましたが、これは、映画が始まる前に見てはいけない代物です。映画で疑問に感じることの全てが書いてあると言っても過言ではありません。せっかくの楽しみが半減してしまうというものです。
なお、パンフレットはご丁寧にシールで封印されていて、意思を持って見なければ見ることができないようにされています。後悔したくなければ、映画を観終わった後にその封を解きましょう。
でも、見てみて、テレビ版よりもきれいに話が整理されているのがよくわかります。映像も奇麗になっています。
しかし、いかんせん、映像の美麗具合に目を惹かれて、ともすると話の理解をおろそかにしてしまいそうな危険があります。それだけ、今回の情報量は相当多いのです。
テレビ版との比較をすることが、ほとんど愚の骨頂と言える程の新作ぶり。
「新世紀エヴァンゲリオン」というものの映画版、と考えるのではなく、新しい劇場版の「エヴァンゲリオン」を見に行くという感覚で映画館に行きましょう。

【評点】
★★★★☆ テレビ版や前の映画版の概念を根底から破壊している

感想にもあるように、下手に予備知識を持っていると思って見ると、逆に足元をすくわれてしまいます。
少し「序」と世界観が微妙にずれている感じがする気もします(感覚的なものなので、なんとも言えませんが)。
画面に迫力があるので、映画館で見ることをお勧めする映画の一つです。
ただ、未完の作品な割には、インターバルが長いのがネックなので、強力にお勧めはしません(ストーリーを重視する方は、DVD全巻揃ってからの方が良さそうです)。


担当:逢川

劇場版空の境界 1俯瞰風景

単館(なのか?)レイトショーのアニメ映画ですが、非常に面白い作品です。ただし、猟奇シーンがリアルな描写なので、その手の映像が苦手な方は避けた方が無難です。
【ストーリー】
「行こう、行こう、行こう、行こう――」

私はただ望んだだけ。
この窓の外の世界を。
彼に連れて行ってほしかっただけ。

それは、少女達の飛び降り自殺が相次いだ夏の終わりの物語。彼女たちは、突発的に廃墟と化したビルの屋上から空へと踊る。そして落下。待っているのは死。
学校も異なり、互いに交友関係もなく、一切の関係性と自殺の理由も見いだせぬまま不可解な自殺事件として報道されるなか、唯一、その関連を見いだした者がいた。
最高位の人形師で魔法使いになれなかった魔術師の蒼崎橙子、その人である。
むしろ、「理由がない」ことが共通点だ、と。
そして、浮遊と飛行の相違。

この連続自殺事件の捜査に乗り出したのは、万物の生の綻びこと死線を視る力「直死の魔眼」を持つ両儀式。
彼女には、この事件に関わらざるを得ない事情があった――。
望まぬまま得た力により、虚空に舞う少女たちの幽霊をその瞳に捕らえる式は果たして、なにを思うのか。

たとえば、それはともすれば同じ道を辿っていたかもしれない同胞への哀れみ、または同族嫌悪。
たとえば、それは大切な存在を危うくする者への敵意。
あるいは、実に明確な殺意。

そんなものがないまぜになったまま、式は痛ましい現場となったビルへと向かう……それが、幾重にも張り巡らされた罠への序章にすぎないことも知らずに。

第一の事件。第一の駒。その先に待っているのは無限螺旋。今、終焉に向けすべてが動きだす。
(公式ホームページ(http://www.karanokyoukai.com/)より引用)

【感想・・・壮大な物語への入口を感じさせます】
実は、小説を先に読みました。これが映画になると聞いて楽しみにしたのですが、レイトショー(しかも少数館)ということで、DVDになるのを待ちました。
やっぱり、映画館で見た方が良かったのでは…?と後悔させられる作品でした。
アクションシーンがきれいな作品は、やっぱり大画面で見たいものです。
この話は、連続飛び降り自殺から始まります。飛び降りた後の死体がリアル(とはいっても、本物には遠く及びませんが)に描写され、人によっては非常に嫌悪を覚える作品かと思います。まず先にそれを言っておかなければなりません。
ストーリーにもありますし、タイトルを見てもわかると思いますが、これは連続ものです。7部作になりますか。
とはいっても、これはこれで一つの事件が解決しています。
しかし、気になる伏線も大量に張られているのです。
「アサガミフジノの事件(敢えてカタカナにしています)」や、「あの人」というさりげないセリフがキーワードです。これが後に続いて行くのです。
ちなみにまだDVDは全巻揃っていませんし、実は7部構成の作品第6部が、現在(2008.12.20~)上映開始、という状態です。
全部揃ってから一気に見るのは少し疲れそうですが、おそらく見ると続きが気になるものだと思います。
ただし、この作品は謎解きではありません。犯人に関する情報は最後に提供されるので、誰のせいだ?と考えると面白くありません。が、人間模様を中心に鑑賞すると、面白いかと思います。

【評点…★★★★★(ただし-0.5)】元が小説なので、言葉遊びが面白い。
同じ意味がありそうな二つの単語に別々の意味(背景)を持たせたり、言葉が中心の作品です。しかし、最近のテレビにありそうなテロップの攻撃はなく、ちゃんとセリフの言い回しで思い浮かべるべき漢字がわかるようストーリーが練り上げられているところがさすがです。
ただ、連続ものの序章であるがために、この作品単体では意味不明な部分が多いのも事実で、作りとしては若干不親切なきらいはあります(もっとも、連続もの、と前提が打たれているので、そこは割り切れるものです)。
見る人によっては賛否が分かれそうですが、私はこういう作品が大好きなので、満点(単体作品としては4.5)をつけさせていただきました。

担当:逢川

容疑者Xの献身

大人気らしいこの映画ですが、とりあえずピークを過ぎてから見に行きました。
【ストーリー】
発見された男性の死体は顔がつぶされ、指を焼かれていた。死因は絞殺。身元は富樫慎二(無職)であることが判明。貝塚北警察署の刑事・内海薫は捜査に乗り出す。富樫の別れた妻、花岡靖子のアリバイを確認していたある日、その隣人が湯川と同じ帝都大出身者であることを内海は知る。隣人の名は、石神哲哉。高校で数学教師をしている。物理学者・湯川学にとって「僕の知る限り、本物の天才」と評する男だ。
内海から事件の相談を受けた湯川は、天才的頭脳の持ち主故に、かつて唯一理解し合うことができた”親友”が事件のウラにいるのではないかと推理する…。
虚言、盲点、心理戦、ブラフ、様々なトリックが複雑に絡まった天才数学者が仕掛けた難問に「探偵ガリレオ」が挑む!
(公式ホームページ(http://yougisha-x.com/)より引用

【感想…面白いのだけれど、何かが足りない】
派手な宣伝活動が行われたせいもあるのでしょうが、思ったより面白みに欠けました。いや、面白いのですが、期待したものが大きくなりすぎていて、見た後に「これだけ?」というのが正直な感想です。
公式ホームページから引用したストーリーにあるように「虚言」「盲点」「心理戦」などは展開されてはいるのですが、いろいろなことを映像で表現しようとしたがためにすべてが中途半端になっている感が否めません。小説だときっと「心理戦」の部分も面白いのでしょうし、「盲点」の部分も、きっと地の文で読者をミスリードする手法が使われているものと想像できます。
しかし、映像にしたとき、そのすべては「観客」の捉え方によって変化してしまいます。
心理戦は心の読み合いですが、それは役者の演技力にかかります。映像の場合、コマ割りや音楽など、すべての演出効果を動員して初めて理解可能かどうかの瀬戸際になる程度です。
湯川も苦悩するほど苦悩しているようには見えなかったのです。湯川は非常にクールな人間ですから、苦悩することを表現するのはほぼ不可能でしょう。だからこそ、じっくり時間をかけて映像を差し挟んで欲しかったのですが、商業映画という特性でカットされてしまったのでしょう。そもそも全体的に長いですしね。
推理物のストーリー上、偶然が推理に大きな影響を与えるのは仕方がないことなのですが、少し表現があからさま過ぎましたか。
容疑者の隣人が湯川の知り合い(石神)であることから、湯川は石神を疑うことになりますが、この伏線が映像では大きく取り上げられすぎています。ほんの些細な出来事が、事件の真相に絡む、というのが理想だと思うので、もう少し扱いを小さくしてもよかったのではないかと思うのです(具体的には…ポストに入っていた封筒のシーンです)。
でも、トリックも容疑者側の心理も非常にきれいに映像化されていたと思います。
もう少し、観客に提供する情報の重要度の取り扱いを取捨選択した方が、ストーリーが盛り上がるのかなぁと思いました。
もちろん、初めから湯川VS石神の構図であることは分かっているので敢えて、という作りなのかもしれないのですが、せっかくタイトルが「容疑者Xの献身」なのだから、もう少しひねってもよかったのだろうと思うのです。

【評点…★★☆☆☆】映画館で見るほどのものでは…
ストーリーもよかったですし、映像も奇麗なのですが、劇的な音響効果があるわけでもなく、迫力のある映像があるわけでもなし。原作の小説があるという点からも、わざわざ映画館で見る必要はない、と判断します。
もっとも、原作には内海薫はいないようですが…
推理物、という点から後で「見直したい!」という点を感じさせるものでもあれば良かったのですが、丁寧に作りこまれているせいで、伏線がちょっとした引っ掛かりにとどまらず、完全に印象に残ってしまうので、一度見ればいいや、という印象を受けました。
映画館で特段見る必要もなく、DVD化されてもレンタルで十分、という感想を持ったので、この評定となりました。

担当:逢川

EVANGERION:1.01 YOU ARE(NOT)ALONE.

いわずと知れたエヴァンゲリオン映画版です。昨年公開された「序」です。
劇場に見に行ってはいたのですが、今回DVDを購入して見直したので、ここにアップすることにしました。
【ストーリー】
世界を壊滅状態へと陥れた「セカンドインパクト」から15年。
使途が襲来し人類は滅亡の危機にあった。
碇シンジは、父ゲンドウから呼び出され、使徒と戦うために、人造人間エヴァンゲリオンのパイロットになることを命令される。
今回の「序」では、アニメの1話からヤシマ作戦の完了まで、つまり使徒3体との戦いがが封じ込められている。

【感想・・・今度こそ、というイメージが強いかも】
 ストーリーを見ていると、テレビ版にはないエピソードが追加されていたりして、今度こそすべての謎が解明されるのでは、という印象が与えられています。
 テレビ放映時、それと前の映画の際に「第3の使途」とされた「サキエル」が、しれっと「第4の使途」に置き換えられていますね。それに呼応し、使途は一つずつ順序が繰り下げられています。ヤシマ作戦の時の使途「ラミエル」が第6使途とされています。
 そして、ネルフ本部地下にある「リリス」は、第2使途、と言われていますし。
 今後解決を見ることになるのでしょうが、全くテレビの予備知識なしで見たほうが、頭にすんなりと入ってくる可能性が高いでしょう。
 絵は、曰く全編起こしなおし、ということで、テレビの時のフィルムを使用していないそうです。
 確かに4:3から引き伸ばした感じではありませんでした。
 それにしても、ディテールの細かさはさすがです。そこだけでも一見の価値はありそうです。
 ただ、ストーリーが完結していないのが難点で、続き物にしてはインターバルが長すぎる嫌いがあります。

【評点】
★★★☆☆ 個人的には満点をつけたいけれど
好きなアニメなので個人的には満点をつけたいところですが、今のところ映画になったからと言って真新しいところはなし、と言えます。ストーリーも伏線が増えているのみで結論にどれほど劇的な影響を与えるのかが不明なところがマイナスでしょうか。
(個人的には、あ~、こんな感じかな~という予測ができるので減点ポイントからは除外されているのですが)
テレビを見ている人には物足りなさを感じる点を差し引いてこの点数にしました。

担当:逢川

超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!

【ストーリー:ホームページより引用】
インカ帝国の遺跡マチュピチュを訪れた冬樹とケロロ小隊。オカルト好きの冬樹は大喜びだが、ケロロの頭の中は地球(ペコポン)侵略のことで頭がいっぱいだ。
彼らはそこで迷路のような遺跡を発見するが、トラップに引っかかり脱出を余儀なくされる。そんな中、冬樹は一瞬、迷路の中にたたずむ一人の少女を見かける。少女の謎を抱えたまま東京に帰った冬樹とケロロたちの前に、最強の敵が現れる。姿はケロロとそっくりだが、ケロロと違って迅速かつ冷徹に地球(ペコポン)侵略を企てる”ダークケロロ”だ。彼はシヴァヴァ、ドルル、ミルルという優秀な部下を引き連れ、世界各地で侵略を開始する。それを迎え撃つケロロ小隊の運命は!?
http://www.keroro-movie.net/story.html

【感想等 ~ガンダム世代にストライクなネタ満載】
珍しく、通常の3倍のネタが認識できなかったものの、非常に心をくすぐられる映画でした。
サンライズのガンダム力をここに集結!というぐらい、ガンダムのネタが満載でした~正確にはガンプラですが。
ストーリーは、ケロロによくある種族を超えた友情ということがテーマなので、多少陳腐なところはありますが、まぁ、そこは子供向けアニメ、ということで目をつぶるしかありません(大人が斜に構えてみなければ、大して気になるレベルのものではありません)。
笑いも相当起きていました。代わりに感動的な話のつくりにはなっていません。
ところで、この映画、上手いこと色々なところに仕掛が施してあります。気付くか、気付かないか(あるいは、勘ぐるか勘ぐらないか)、それによって楽しみ方が何倍にも広がる映画です。
ゲスト声優としてルー大柴氏が参加していますが、ルー大柴らしさはありません。ただ参加している、という程度の期待の方がいいですが、でも、基本的にクールな役で、逆に「うまいな」と思いました。
意外性はそれほどなく、ご都合主義なところも見え隠れしていますが、スピード感、テンポを重視すれば、この展開も及第点でしょう。情報の過不足や展開の性急さは感じませんでした。
何度も映画館で見ようとは思いませんが、隠れキャラ、イベント(どんなマンガ、アニメのネタが仕込まれているか)を探すのであれば、ぜひライブ感たっぷりの映画館で見ることをお勧めします。個人的には、あとでDVDを買って検証したいところはいくつもあります。

同時上映の武者ケロはスピード感重視の短編で飽きずに一気に最後まで見ることができます。超劇場版、の前に上映されます。
問題は、武者ケロと超劇場版、の間に、DSソフトの宣伝が入ることです。それが少し長いでしょうか。構成的にはそこがマイナスでした。

【評点】
★★★★☆ ガンダム世代にお勧め
さすがサンライズ。サンライズが手がけた単一作品で犬夜叉を抜いてトップの話数を誇る(テレビがトータル200話を超えました)だけあって力の入れ方が違います。バンダイもおそらく全面協力です。この辺のネタは好き放題使い放題、です。ぜひ、探してみてください。

担当:逢川

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

【ストーリー等】
243歳のマゴリアムおじさんが113年前に開店したおもちゃ屋は、魔法の国に迷い込んだような不思議なできごとがいっぱい。それ故に、店を訪れた大人も子供も夢中になってしまう。
そんなある日、マゴリアムおじさんが引退をして、店の支配人(店長?)モリーに店を譲る、と言い出した。
魔法を使えないモリーは店を譲ることを固辞するが・・・?

【感想等 ~2時間弱では足りないか?または、それだけ?】
色々なことを詰め込んだ結果、全てを表現しきれていない節が随所に顕現している感想を抱いてしまいます。
おもちゃ屋の支配人、モリーは子供の頃天才ピアニストとして注目されたものの、今では自信をなくし、それでもピアニストの夢を捨てきれず、随所でピアノを弾いている指使いを行います。
劇中の音楽も、そのモリーの指使いに合わせた音楽が流れます。モリーの感情のブレによって曲調が遅くなったり、突然途中で止まったり・・・子供向け、と言う意味ではわかりやすさは満点でしょう。
人物対比も明確です。
マゴリアムおじさんは不思議を押し通してしまう魔法の達人、モリーは魔法を楽しむことが出来る大人(ただし、大人としての感覚が芽生えてきてしまっている弊害がでています)、会計士のヘンリーは、現実的な考えをする大人のため、不思議を真っ向から否定します。そして、エリック(店の常連の客にして店の手伝いをする9歳児)は、友達作りが出来ない子供で、考え方は一番ドライ。
明確な性格相違のため対立軸がはっきりしている点もわかりやすさを助長しています。
しかし、それだけです。
マゴリアムおじさんとシマウマが同居しているのですが、これといって劇的な効果がなく、単なる一発ネタの感がぬぐえません(とうぜん滑ってました)。
他にも、ここはウケを狙ったところなんだろう、という場所が何箇所がありましたが、誰一人笑う者はいませんでした(失笑すら起きませんでした)。
店を譲り受けた(無理矢理押し付けられた?)モリーが結局どうなるか、というのはこの物語のキモですので、ここでは言及しませんが、映画館で見る必然性はない映画です(特に緊急性もない)。
ただ、「死」の概念が非常に印象に残っています。
マゴリアムおじさんは「消える」と表現しています。その「消える」についての内容を、シェークスピアの「リア王」の表現を借りて説明します。そして、「死」がなぜ悲しいか、ということについても、説明しています。
ここが物語のクライマックスでした。ただ、これが中盤よりやや後ろ、という「早すぎる」演出であることは否定できませんでした。その後は、ダラダラした感がぬぐえません。
盛り込みたい部分が多かったのでしょうが、時間切れで無難にまとめました、というのがせいぜいでしょう。
それと、オープニングが長くてクドい!キャスト、スタッフの紹介なのでしょうが、あれでは始まる前から食傷気味になります。

【評点】
★★  DVDレンタル OR テレビで放映されるまで待っても問題なし
「リア王」の引用の下りは一見の価値ありです。そこは、マゴリアムおじさん役のダスティン・ホフマンの話し方に全てが込められているので、そこの部分だけはお勧めです。

担当:逢川

例文と評点基準

ここでは
メンバーが観にいった映画を評点します。
複数人による評価も。

★=1点、☆=0.5点 で 評価基準は以下のとおり

★★★★★ 絶対観にいくべし
★★★★  観に行った方が良い
★★★☆  まぁ楽しめるヨ
★★★   いきたければいけば
★★    いかなくても問題はない
★     いってはいけない(悪い映画は民衆の力で駆逐するべし)

例文は下記の通りちょっと古いですが
・・・・・・・・・・
【観た映画】
フライトプラン
【ストーリー等】
飛行機に娘と一緒に乗ったはずなのに、目がさめたら娘が行方不明。
娘は機内に必ずいるはず。
しかし乗客名簿に娘の名は無し。
さらに数日前に娘は死んでいたとの報告。
ジョディーの狂言? それとも悪の組織の仕業?
パニックルームに続くジョディ・フォスターの必死感満載映画。

【感想等 ~とにかく残念な作品~】
・予告編の勝利っていうのでしょうか?それとも設定の勝利っていうのでしょうか?期待を見事に裏切る作品です。
・パニックルームみたいなハラハラ感を期待していただけに見終わった後のモヤモヤ感抜けず。(一応解決して終わるのですが、なんかなー)
・ストーリー的に犯人の犯行計画っていうのが超ズサン
「棺開けなかったらどうするの?」見たいなことは議論にならなかたんですかね。。。
・だいたい、中盤には犯人わかっちゃうし、もっと大規模な悪の組織が絡んでいると思いきやたいしたことなかったし、もっとジョディー・フォスターが敵と戦いまくると思いきやけっこうあっけなく勝利してしまうのも不満。
・ま、この飛行機に乗りあわせた客とこの映画を観にきた観客が一番迷惑に思ったのではないでしょうか?

【評点】
★★★   いきたければいけば
設定が勝ちすぎて、細かい矛盾点は解決されなかったのが残念。

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