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劇団は劇場あっての劇団なのです

劇場の契約をキャンセルして何日かが経過しました。
ちょっとした虚脱感を覚える今日この頃ですが、正直ほっとしているところでもあります。もう少し話が進んでからこの事態に陥らなくて良かった、と。
そして、劇団は、劇場あってこそのものだとも痛切に感じるのです。
思った通りに芝居を作り上げようとするとき、どうしても理想の劇場が必要になります。しかし、そんな劇場はまず滅多にお会いする機会がありません。
だからこそ、ここは、という劇場に出会うと、そこを大切に使おうと思います。劇場さんとの信頼関係も、そういうところから生まれてくるのだと思うのです。
特に、江戸川即興職人劇団は、ここ数年銀座小劇場さんで公演を行っています。だからこそ、劇場さんには迷惑をかけたくない、と思っていました。
今回の件、最初私は「公演の延期」を強硬に主張しました。劇場さんに対しては「キャンセル」ではなく、「日程変更」を申し込みたい・・・そう主張をしていました。
しかし、結果はキャンセル。メンバーの大半・・・と言うより、私以外のメンバー・・・が性急な公演日程の変更を是としなかったことが理由です。
個人的な意見、感情はともかく、流れとしてキャンセルになりそうになった時、制作担当として私は劇場さんへの迷惑は最小限にすべきだと判断し、電話を入れました。
「ご相談したいことがあります」
まだ劇団としての結論が出ていなかったため、そう切り出したことを覚えています。
事の経緯を説明したところで、劇場さんは
「日程が決まらないのであれば、一旦キャンセルした方がいいのではありませんか?」
そう言ってくれました。
もちろん、この劇場さんの話はすぐ他のメンバーにも連絡し、早急に結論・・・キャンセルの申し入れ・・・をしたのです。

劇団の決定前に担当者の個人的判断で劇場さんに事前連絡をしていることが是か非かは意見があるところだと思います。しかし、私は思うのです。時間は待ってくれるわけではないから、と。
結論を先延ばしにして方々に迷惑をかけた過去があるからこそ、先手を打つことは非常に重要だというのが私の信念です。そしてそれは間違っていないと思っています。
独断で決定することはいけないことではあります。しかし、その決定を待ち続けることで被害が拡大するぐらいなら、先に情報だけを入れてあげるのが大事なことだと思うのです。

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